短期集中連載 大丈夫ですか? 面接対策

志望校との接点を強調すればするほど面接官はシラける




面接を担当する校長先生方は、どんなときに、この子・この家族を合格させてもいいと思うのか‥‥。みなさんが異口同音におっしゃるのは、「ご両親が本校のことをよく理解していることと、それからお子さんがきちんと躾られているかどうか」の2点です。たぶん、学校説明会のときにも同じような話を聞いていると思いますが、額面通りに受け取らないでください。志望校のことを理解している、子どもが躾られているというのは、100メートル競走でいうなら、みなさんがスタートラインに集まった状態です。「よ〜い、ドン!」で走り出すのはその後です。

くどいようですが、志望校の教育方針をよく理解しているだけでは、子どもの成績が合格ラインに達していたとしても合否は決まりません。子どもの躾に関しては別項でふれますが、面接のときに、「こういう考え方で子どもを育ててきた、だから、御校を志望した」という具体的な説明がないと、面接官は合否を判断できないのです。学校関係者でもないのに断定的なことを申し上げているようですが、この連載の第2回で書いたように、入社試験のときに、私はこういう人間です、御社に入ったらこういう仕事をしたいとはっきり言わなければ、この人間を採用したいとは思いません。それと同じことです。

みなさん方の願書をみると、志望校の教育方針への理解や共感・感動だけが強調されて、「どんな子育てをしてきたか」というメッセージが読み手に伝わってこないケースが多いのです。わが子はどんな生き方をしてほしいのか‥‥小学校受験をしないかぎり、こういうことを真正面から考えることは少ないと思います。元気に育ってくれればいいというのが、お父さん方の「子育て方針」です。模擬面接というと、入試直前ですが、この段階になっても多くのお父さん方が幼児教室の先生方から注意されるのは、「どんな方針で子育てをしてきたのか、なぜこの学校を志望したのかをもっと明確にしてください」という指摘です。

「5歳のときから少年野球に参加させています」「2〜3歳のときから石に興味を持ち始め、日曜日というと父親と山や河原に行って石を集めています」「週2回、祖母からお華の稽古をつけてもらっています」「師範の資格をもつ祖父から剣道を教えてもらっています」‥‥願書の中で、こういう具体的な記述があると、どんな考え方で子どもを育てようとしているかが推測できます。

具体的な記述がなぜ大切かというと、「少年野球に参加している」という、たった1行の記述だけで、読み手は、この子は集団行動に慣れているだろう、自分勝手な行動はしないだろう、ルールをきちんと守っているだろう、協力することの大切さがわかっているだろう、我慢強いだろう、きびしい練習にもへこたれないだろう、頑張る力があるだろう‥‥そういう印象を抱くと思います。少年野球に参加しているといっても、練習日の朝はグズるし、叱ればすぐ泣くし、ノロいし、なかなか上手にならないのが本当だとしても、そんなことをわざわざ言う必要はありません。少年野球に参加しているという事実だけを言えばいいのです。

どんな子育てをしているかが具体的にわかれば、あえて志望校との接点を強調する必要はなくなります。「だから、御校を志願いたしました」の部分は曖昧でいいのです。文章としてまとまりをつけたいと思うなら書いてもいいし、スペースがなくなったら書かなくてもいいのです。そもそも志望校の教育方針と家庭の教育方針が一致しているかどうかは、志願者ではなく学校が判断することです。みなさん方が志望校との接点を強調すればするほど、何か押しつけられたような気分になり、それはこっちで決めることだとシラけた気分になります。この点、誤解しないでください。




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